2016-01-01から1年間の記事一覧

黄金の果実について

バッカラ関連レシピの翻訳が済んだのはいいが、出来上がった後に数えたところその数は重複分も含めて26に上った。この重複分というのは例の「バッカラ・マンテカート」で、これは基本中の基本料理なのでどの本にも載っているものなのだが、どれを見比べても細…

過ぎ去った春について

季節はとうに夏であるが、ここのところしばしばSpaghetti Primaveraを作っていた。プリマヴェーラというのはイタリア語で「春」という意味である。これはヴェネツィア料理でないどころか、そもそもイタリアではなく北米で作られたレシピなのだそうだが、ヴェ…

口の開け方について

未だに慣れないのだが、そういえばパソコンが常時ネットにつながっているのだったと気付いてrisi e bisi e fragoleを画像検索してみたところ、単にイチゴが上に乗っかっているだけで特にどうということはなかった。イタリアの名誉のために一応ことわって置く…

トリコローレについて

気がついたら帰国から三週間ほど経過していた。一年ぶりの車の運転、街での歩き方(ヴェネツィアは右側通行が基本だが、関西はどうやら左側通行のようだ)、異常に柔らかいパンなど、最初はあれこれ戸惑ったが、仕事が無いこと以外はもう何もかも元通りで、…

街の原点について

気がついたら帰国まで二週間を切っていた。帰国直後に最後の一仕事があり、その準備に掛かりきりでいたためにあまり考えずにいたのだが、概ね出来上がってきたところで余裕ができるとあらためて帰国後のことを考えてしまう。 帰国と共に私の研究生活が終わる…

肉と魚について

気をつけるようにとは言われながらも、寝起きするパラッツォを一歩外に出ればそこはリアルト橋なわけで、カルネヴァーレの期間中も結局はちょくちょく街中を見て回っていた。夏場のレデントーレ前後の喧噪と比べてみるとどうも人が少ないような気がしたので…

サン・マルコ聖堂について

ヴェネツィアーニは総じて地味で、イタリア南部の人たちと比べると人見知りも強く、とにかく控え目で始末屋、というのがこれまでのイメージであった。パラッツォ・ドゥカーレへ入ったときもその印象は変わることがなく、この自制心こそがヴェネツィア共和国の…

聖マルコについて

すでにプレイベントも始まっており、パスティッチェリアにはfrittelleフリッテッレやgalaniガラーニなど、この時期ならではのお菓子が並んでいる。街はまた混雑し始め、休暇していた店の多くもぽつぽつ営業を始めるようになった。この1月30日からヴェネツィ…

香気と冷気について

新鮮なハーブが手に入ったのでハーブティーを手作りしてみました。今回はtimoタイム、salviaセージ、rosmarinoローズマリーのブレンドで、これらのerbe aromatiche(ハーブ)はもちろんリアルト市場で買ったものです。お湯を注いだ瞬間からお部屋がステキな…

アックァ・アルタについて

年末年始は特別なこともなく、ただ仕事をしながら過ごしていた。大晦日にサン・マルコ広場のカウントダウンに出かけようかと考えたこともあったが、ナターレの頃に少し体調を崩していたこともあり、大事を取ったのである。カウントダウンのイベントはこの先ま…