2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

何も食べない妻、あるいは魔法の指輪について

食欲の減退する季節となったのでそれらしいタイトルの話を選んでみた。短いものなので今回は二本立てである。 'NA MUGIER CHE NO MAGNA 一組の夫婦がありました。あるときその妻が夫に、自分はもう何も食べない、と言い始め、そのとおり二度と食事をしている…

独身者たちについて

ヴェネツィアである必然性が今ひとつ感じられないような話が続いたので、今回は「Venezia」という単語が出てくる話を読んでみた。が、まずタイトルにあるorfaroniという単語がどの辞書にも載っておらず、ネットで検索してもこの話以外では使われていない。こ…

フリウリの民が如何にして生まれたかについて

とりあえずイエスが出てくる話をまとめて片付けてしまおうと思って深く考えずに選び出し、見るからに短い話だったので油断していたのだけれども、今回もなかなかに扱いが難しい話である。避けたつもりであったのに程なく「うんこ」に突き当たったことも憂慮…

十尺の布について

前回の話ではイエスが前座だったので、もう少し扱いのよい話を今回と次回でご紹介していこうと思う。どういう訳か相方は常に聖ペテロであって、これはヴェネツィアとの関連で言うと、彼が漁師だったからではないかと思う。 サン・ピエトロといえばまずはヴァ…

正義について

今回の話の冒頭に、前回触れた何ともいえない[che]の例があった。ヴェネツィア語の単語をそのまま標準イタリア語と英語の単語に置き換えてみたので、どうにも解釈できないこのもどかしさを是非とも体感して欲しい。 'Na volta ghe giera un contadin che el …